ギターの塗装を剥がして塗り直す方法|ラッカースプレーでのリフィニッシュ手順

塗装を剥がしかけたギターボディとサンドペーパー、スクレーパー、スプレー缶

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

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「このギター、色を変えたい」——ジャンクギターを手に入れたとき、誰もが一度は考えることです。塗装を剥がして、好きな色に塗り直す。いわゆる「リフィニッシュ」です。

結論から言うと、市販のラッカースプレーでもできます。ただし——想像より何倍も手間と時間がかかる作業でもあります。この記事では、実際の手順と必要な道具、そして始める前に知っておくべきことを正直に解説します。

目次

最初に伝えたい3つの現実

やる気を削ぐつもりはありませんが、ここを知らずに始めると必ず後悔します。

  • 時間がかかる:塗装→乾燥→研磨を何度も繰り返すため、数週間から1か月以上かかるのが普通です。連休で終わる作業ではありません
  • 作業場所が要る:スプレー塗装は屋外か、十分に換気できる場所が必須。塗装剥がしでは大量の粉塵も出ます
  • 元には戻せない:一度剥がした塗装は戻りません。ヴィンテージや高価なギターでは、資産価値が大きく下がります

それでも「自分の手で色を変えたい」という方へ。以下、実際の手順です。

【重要】安全対策を最優先に

  • 必ず屋外か十分な換気のもとで:ラッカーの溶剤は有機溶剤です。密閉空間での作業は絶対に避けてください
  • 有機溶剤用の防毒マスクを着用:使い捨ての防塵マスクでは溶剤の蒸気を防げません
  • 火気厳禁:ラッカーもシンナーも引火性です
  • 研磨時は防塵マスクと保護メガネ:粉塵の吸い込みと目の保護
  • 古い塗装には注意:年代物のギターでは、塗料に有害物質が含まれている可能性があります。特に削って粉にする作業は慎重に
  • 近隣への配慮:屋外でのスプレー作業は臭いと飛散が発生します。近隣に迷惑がかからない環境かを確認してください

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用意するもの

  • ドライバー・レンチ類:パーツの取り外し用
  • ヒートガンまたはアイロン:塗装を温めて剥がす
  • スクレーパー(ヘラ):浮いた塗膜を剥がす
  • サンドペーパー各種:#80/#120/#240/#400、仕上げに#600〜#1000以上
  • サンディングブロック:平面を保って研磨するため
  • サンディングシーラー:下地を平滑にする
  • ラッカースプレー(カラー):本命の色
  • クリアラッカースプレー:仕上げの保護
  • コンパウンド:鏡面仕上げをするなら
  • 安全装備:防毒マスク、防塵マスク、保護メガネ、手袋

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STEP1 パーツを全て外す

弦、ピックガード、ピックアップ、ブリッジ、ネック、ストラップピン——ボディだけの状態にします。配線はピックアップ交換の記事と同様、外す前に必ず写真を撮っておいてください。組み戻すときに必ず役立ちます。

STEP2 塗装を剥がす

ここが最も体力と時間を使う工程です。方法は主に2つ。

熱で剥がす(おすすめ)

ヒートガンやアイロンで塗装を温めると、塗膜が柔らかくなって浮いてきます。そこにスクレーパーを差し込むと、ペリペリと剥がれていきます。特に分厚いポリ塗装には有効です。

注意点:温めすぎると木材や接着部を傷めます。一箇所に熱を集中させず、少しずつ動かしながら作業してください。

削って剥がす

サンドペーパー(#80など粗いもの)やサンダーで削り落とす方法。確実ですが時間と体力を消耗し、粉塵も大量に出ます。木部まで削りすぎないよう注意が必要です。

実際には「熱で大部分を剥がし、残りを研磨で仕上げる」という併用が現実的です。

STEP3 木地を整える(仕上がりの9割はここで決まる)

塗装が剥がれたら、サンドペーパーで木地を平滑にしていきます。番手を粗い順に上げていくのが基本です。

  • #80〜#120:残った塗装や大きな凹凸を落とす
  • #240:全体を整える
  • #400:仕上げの平滑化

ここを妥協すると、塗装後に必ず粗が目立ちます。塗料は凹凸を隠してくれません。むしろツヤが出ることで、下地の傷が強調されてしまいます。手で撫でて引っかかりがなくなるまで、根気よく。

研磨はサンディングブロックに紙を巻いて行うと、平面が保てます。指だけで擦ると、力の入った部分が凹んでしまいます。

STEP4 下地処理(サンディングシーラー)

木は導管(木目の溝)があり、そのまま色を塗ると凸凹が残ります。サンディングシーラーを吹いて、乾いたら研磨——これを繰り返して表面を埋めていきます。

手間ですが、この工程の丁寧さがそのまま仕上がりの美しさになります。プロの塗装が美しいのは、この下地作りに時間をかけているからです。

STEP5 カラー塗装

いよいよ色を乗せます。最大のコツは「薄く、何度も」です。

【裏ワザ】物干し竿に吊るして塗る

塗装作業でいちばんおすすめしたいのが、この方法です。

屋外の物干し竿に、針金ハンガーを曲げた輪っかを作り、ネックを取り付ける部分のネジ穴に通してボディを吊るします。竿への引っ掛けにはS字フックを使うと着脱が簡単で、位置の調整もしやすくなります。たったこれだけで、作業効率も仕上がりも大きく変わります。

  • 表・裏・側面を一度に塗れる:台に置いて塗ると設置面が塗れず、乾かしてから裏返すという二度手間が発生します
  • 乾燥中に触らなくていい:吊るしたまま乾かせるので、指紋や置き跡が残りません
  • ホコリを拾いにくい:地面から離れているため、舞い上がった土埃が付着しにくくなります
  • 費用ゼロ:針金ハンガーを曲げるだけ。専用の道具は必要ありません
  • ネジ穴なら傷が目立たない:ネックポケットのネジ穴は、組み上げれば見えなくなる部分です

安定させるコツ:針金は1点で吊るすより、ネックポケットにある2つのネジ穴に通して輪にすると、ボディが回転せず安定します。塗りたい面に向けたまま固定できるので、狙った角度で吹けます。

飛散対策も忘れずに:吊るした背後に段ボールを立てておくと、塗料のミストが周囲に飛ぶのを防げます。屋外作業では、近隣への配慮としても有効です。

注意点:風のある日は避けてください。ボディが揺れてスプレーとの距離が安定せず、ムラの原因になります。無風の日を選ぶのがコツです。

スプレーの吹き方

  • 一度に厚塗りしない:垂れ(ダレ)の原因。一度垂れると研磨してやり直しです
  • 20〜30cmほど離して吹く:近すぎると厚くなり、遠すぎると粉っぽくなります
  • 止めずに動かしながら:一箇所に留まると溜まります
  • 各層でしっかり乾燥させる:焦って重ねると内部が乾かず、後で縮みます
  • 気温と湿度に注意:寒い日や湿度の高い日は、白く曇る「かぶり」が起きやすくなります

色が均一に乗るまで、数回〜十数回重ねます。

STEP6 クリア塗装と仕上げ

カラーが乾いたら、クリアラッカーを重ねて塗膜を保護します。こちらも薄く何度もが鉄則。

そしてここからが本当に大事な工程——十分な乾燥期間です。表面が乾いていても内部は乾いていません。この状態で磨くと、後から塗膜が痩せて研磨傷が浮き出てきます。数週間は寝かせるつもりで待ちましょう。

鏡面仕上げにするなら、乾燥後に#800〜#2000程度の耐水ペーパーで水研ぎ→コンパウンドで磨き上げます。ここまでやると、市販品のような艶が出ます。

STEP7 組み戻す

STEP1で撮った写真を見ながら、パーツを元通りに。ネジ穴に塗料が入っている場合は、無理に締めず先に取り除いてください。弦を張ったら、弦高やネックの調整もお忘れなく。

よくある失敗とその原因

症状主な原因
塗料が垂れる一度に厚く吹きすぎ/距離が近すぎ
表面がザラつく吹く距離が遠すぎて粉状に乾いた
白く曇る湿度が高い日の作業(かぶり)
下地の傷が目立つ研磨不足。塗装は凹凸を隠さない
後から表面が痩せる乾燥不足のまま磨いた
塗膜がひび割れる厚塗り、急激な温度変化

よくある質問(FAQ)

リフィニッシュはどれくらいの期間がかかりますか?

塗装→乾燥→研磨を繰り返すため、数週間から1か月以上かかることが一般的です。特にクリア塗装後の乾燥期間は、急ぐと仕上がりに影響するため、余裕をもった計画をおすすめします。

塗装するとギターの音は変わりますか?

塗膜の厚さや材質によって、鳴りに影響があるとされています。一般にラッカーは塗膜が薄く硬いため木材の振動を妨げにくいと言われますが、感じ方には個人差があります。厚塗りしすぎないことが共通して重要とされています。

ネックも塗り直せますか?

可能ですが難易度が上がります。指板やフレットの養生が必要で、握りの感触にも直結するためです。初挑戦の場合はボディのみに留めるのが安全です。

高価なギターでもリフィニッシュして大丈夫ですか?

おすすめしません。オリジナルの塗装は資産価値の重要な要素であり、リフィニッシュすると中古市場での評価が大きく下がることがあります。練習も兼ねるなら、まずは安価なギターやジャンク品で試すのが賢明です。

「そこまでの時間はかけられない」という方へ

ここまで読んで、「面白そうだけど、数週間もかけられない」「換気できる作業場所がない」と感じた方も多いと思います。実際、リフィニッシュは環境と時間がそろって初めてできる作業です。

そんな方には、ラッピングという選択肢があります。私たちJUNK GUITAR ARTは、高品質フィルムでギターにデザインをまとわせる専門工房です。溶剤の匂いも、粉塵も、乾燥待ちもなし。しかも塗装では難しい写真やイラストなど、精細なデザインも再現できます。

▶ 貼ったらどう見えるか、無料シミュレーターでその場で確認できます。

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まとめ|急がないことが最大のコツ

リフィニッシュの流れは、①パーツを外す ②塗装を剥がす ③木地を整える ④下地処理 ⑤カラー ⑥クリアと乾燥 ⑦組み戻し。技術より、「薄く塗る」「よく乾かす」「研磨を妥協しない」という忍耐が仕上がりを決めます。

そして物干し竿に吊るして塗る方法も、ぜひ試してみてください。針金ハンガー1本で、作業効率も仕上がりも変わります。

まずはジャンクギターなど、失敗しても惜しくない一本で挑戦してみてください。自分の手で色を変えた一本は、市販品では味わえない愛着が生まれます。

※本記事は一般的な手順の紹介です。塗料は必ず各製品の使用上の注意・警告表示に従ってご使用ください。作業は自己責任で、安全に十分配慮して行ってください。

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