ギターの接点復活剤の選び方|5-56を使う前に読んでほしいこと

作業台に置いたギターのコントロールキャビティを開けた状態と、ノズル付きスプレー缶・綿棒・クロス

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ボリュームを回すと「ガサガサ」と鳴る。これを直すのが接点復活剤です。

ただ、いざ買おうとすると種類が多く、値段も数百円から4,000円台まで開きがあります。そして家にある5-56で代用しようとして、ポットを傷めてしまう人がいます。

この記事では、なぜ5-56を避けたほうがいいのかをメーカーの記載をもとに確認し、そのうえでどれを選べばいいかを整理します。

目次

結論|迷ったらこの2つ

製品向いている人価格の目安
CAIG DeoxIT D5S-6複数本持っている/長く使う/機材が多い3,000円台後半〜4,000円台
KURE 2-26ギター1本/まず試したいホームセンターで手に入る価格帯
KURE 5-56ポットには使わない

価格は時期や販売店で変わります。購入前に確認してください。

【重要】5-56をポットに使わないほうがいい理由

「家に5-56があるから、それでいいのでは」と考える方は多いはずです。しかし、これはメーカー自身が想定していない使い方です。

呉工業の公式FAQに、こう書かれています

劣化や変色の恐れがあるため、金属以外のものへはお使いにならないでください。

ギターのポットは、樹脂でできています。

ポットの側面や背面の開口部からスプレーすれば、内部の樹脂部分に薬剤がかかります。これは「金属以外のものへは使うな」という注意にそのまま当てはまります。

実際に、ポットが割れた・動きがおかしくなったという事例が報告されています。

もうひとつ、メーカー自身が専用品を勧めています

5-56は接点復活剤としても使用できますが、専用の2-26やコンタクトスプレー、接点復活スプレーをおすすめします。

作っている会社が「専用品を使ってください」と書いている。これ以上わかりやすい根拠はありません。

誤解しないでほしいこと

念のため補足します。「5-56は電気まわりに一切使えない」という意味ではありません。

呉工業は、電源を切ったうえで十分に時間を置けば電気装置にも使用できるとしています。問題は電気ではなく、樹脂です。

そして5-56は本来、防錆と潤滑のための製品です。接点の導通を回復させることを主目的に作られていません。用途が違う、というのが正確な理解です。

では、何を選べばいいか

① CAIG DeoxIT D5S-6|楽器店の定番

楽器店でもっともよく見かける製品です。接点の酸化を除去し、保護被膜を作って再発を抑えるという設計になっています。

  • 原液を5%に希釈したタイプ。そのまま使える
  • 内容量5oz(142g)。1本でかなり長く持ちます
  • ノズルが3段階(弱・中・強)で吹く量を調整できる
  • ポットだけでなく、ジャック・スイッチ・プラグにも使える

価格は3,000円台後半から4,000円台と、接点復活剤としては高めです。ただしギター1本に使う量はごくわずかなので、何年も使えます。

複数本持っている方、エフェクターやアンプも管理している方には、こちらをおすすめします。

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② KURE 2-26|まず試すならこれで十分

呉工業の電気装置用の防錆・接点復活剤です。5-56と同じメーカーですが、用途が明確に分けられています。

  • 電気接点のカーボン汚れを除去し、導通を回復させることを目的とした製品
  • 内容量は180ml・430mlなど
  • ホームセンターで手に入りやすい
  • 5-56より安価に試せる

安価なギターが1本、まずガリを止めたいだけ。この場合はこちらで十分です。

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どちらでも共通する注意

どの製品であっても、樹脂部分に直接大量にかけるのは避けてください。2-26についても、呉工業は製品ページで樹脂への使用可否を明記していません。

狙うのはあくまで内部の金属接点です。少量を、開口部から。これは製品を問わず変わりません。

100均には売っていません

先に書いておきます。接点復活剤は、ダイソーやセリアなどの100円ショップでは販売されていません。

探しに行っても見つからないので、時間を無駄にしないでください。買えるのは、ホームセンター・家電量販店・楽器店・通販です。

なお、100均で代用しようとしてパーツクリーナーや潤滑スプレーを使うのは避けてください。用途が違い、樹脂を傷めるおそれがあります。

▶ 100均で買えるギター用品はこちらにまとめています:ギターメンテ用品は100均で揃う?ストリングワインダー・ニッパーは売ってる?

接点復活剤のデメリットも知っておく

万能ではありません。先に弱点を知っておいたほうが、あとでがっかりしません。

① 油分がホコリを呼ぶ

吹きすぎると、残った油分がホコリを集めます。そのホコリが接点に固着すると、かえって接触不良を起こします。

「たっぷり吹けばよく効く」は逆効果です。少量で十分です。

② 効果が一時的なことがある

接点復活剤が落とせるのは汚れと酸化被膜までです。

ポット内部の抵抗体が物理的に摩耗している場合、薬剤では直りません。一度は直っても、しばらくするとガリが戻ります。

「使うたびにすぐ再発する」なら、それは交換のサインです。

③ 密閉型のポットには入らない

ポットには、側面や背面に開口部があるタイプと、完全に密閉されたタイプがあります。密閉型には薬剤を入れられないため、この方法自体が使えません。

その場合は交換が前提になります。

使い方|失敗しないための5つ

  • ① 電源を切り、シールドを抜く。アンプの電源も落とす
  • ② 少量だけスプレーする。開口部に一瞬で十分
  • ③ ノブを何十回も往復させる。ここを省くと効きません
  • ④ はみ出した分は拭き取る。ホコリを呼ばないために
  • ⑤ 十分に乾かしてから電源を入れる

③がいちばん大事です。薬剤を入れただけでは汚れは落ちません。ノブを回すことで、接点をこすって汚れを削り落としています。

塗装が心配なら、綿棒に吹きつける

直接スプレーすると、狙いを外した分が塗装面に飛ぶことがあります。これが原因で塗装を傷めるケースがあります。

不安な場合は、綿棒に薬剤を含ませてから接点に当ててください。量も加減しやすく、飛び散りません。ジャックの端子にはこの方法が向いています。

また、換気してください。石油系の溶剤を含み、消防法上の危険物にあたる製品もあります。

使ってはいけない場所

場所可否理由
ポットの開口部(内部の金属接点)本来の用途
ジャックの端子少量を付けて抜き差しする
スイッチの接点同上
ピックアップの表面×効果がなく、汚れるだけ
指板・フレット×木部と弦に悪影響
塗装面・ボディ×塗装を傷めるおそれ
ペグやブリッジの潤滑目的×用途が違う。専用品を使う

どこで買えるか

  • 楽器店・楽器通販:楽器用の製品が確実に見つかる
  • ホームセンター:KURE製品を扱っていることが多い
  • 家電量販店:オーディオ用途の売り場にある
  • 通販:種類がもっとも豊富
  • 100円ショップ取り扱いなし

サウンドハウスには楽器用の各種が揃っています

よくある質問(FAQ)

ギターのポットに5-56を使ってもいいですか?

おすすめできません。呉工業の公式FAQには「劣化や変色の恐れがあるため、金属以外のものへはお使いにならないでください」と明記されており、ギターのポットは樹脂製だからです。同社は「専用の2-26やコンタクトスプレー、接点復活スプレーをおすすめします」とも記載しています。なお、これは電気まわりに使えないという意味ではなく、樹脂に対する注意です。

接点復活剤は100均で買えますか?

買えません。ダイソーやセリアなどの100円ショップでは接点復活剤を販売していません。ホームセンター、家電量販店、楽器店、通販で購入してください。パーツクリーナーなどで代用するのは、用途が違ううえ樹脂を傷めるおそれがあるため避けてください。

CAIGとKUREの2-26、どちらを買うべきですか?

ギターが1本で、まずガリを止めたいだけならKURE 2-26で十分です。複数本を持っている、エフェクターやアンプも管理しているという場合は、楽器店の定番であるCAIG DeoxIT D5S-6が向いています。1本あたりの使用量はごくわずかなので、長く使うなら価格差は大きくありません。

接点復活剤を使ってもガリが直りません。

接点復活剤が落とせるのは汚れと酸化被膜までです。ポット内部の抵抗体が摩耗している場合は薬剤では直らず、交換が必要になります。一度直ってもすぐ再発する場合も、摩耗が進んでいるサインです。また、密閉型のポットには薬剤を入れられないため、この方法自体が使えません。

どのくらいの量を吹けばいいですか?

ごく少量で十分です。吹きすぎると残った油分がホコリを集め、それが接点に固着してかえって接触不良の原因になります。開口部に一瞬スプレーし、ノブを何十回も往復させて馴染ませてください。はみ出した分は拭き取ります。

ペグやブリッジの動きが渋いときにも使えますか?

使わないでください。接点復活剤は電気接点の導通を回復させるための製品で、機械部分の潤滑を目的としていません。パーツや塗装を傷めるおそれもあります。可動部には用途に合った専用品を使ってください。

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まとめ

  • 5-56はポットに使わない。メーカーが「金属以外に使うな」と明記している
  • 同じメーカーが専用品を勧めている
  • 1本だけならKURE 2-26で十分
  • 複数本・機材が多いならCAIG DeoxIT
  • 100均には売っていない
  • 吹きすぎない。油分がホコリを呼ぶ
  • ノブを何十回も回す。ここを省くと効かない
  • すぐ再発するなら、摩耗しているのでポット交換

数百円から数千円の薬剤で、買い替えを考えていたギターが直ることがあります。

ただし、使う場所と量を間違えると、直すはずが壊すことになります。そこだけ気をつけてください。

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