130ドルのジャンクが伝説になった「フランケンシュトラット」|伝説のアートギター列伝#3

赤・白・黒の不規則なストライプにスプレー塗装されたDIYストラト(オリジナルイメージ)

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

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ロック史に残るアートギターの物語をたどるシリーズ「伝説のアートギター列伝」第3弾。今回は、このブログの読者にこそ捧げたい一本です。

工場ではねられた”傷もの”のボディに、余りもののパーツ。総額約130ドル。そんな寄せ集めから生まれたギターが、ロックの音を変え、スミソニアン博物館に収蔵されるまでになりました——エディ・ヴァン・ヘイレンの「フランケンシュトラット」の物語です。

目次

欲しいギターが、世界のどこにも売っていなかった

1970年代半ば、若きエディ・ヴァン・ヘイレンには悩みがありました。ギブソンの太く甘いハムバッカーの音と、フェンダー・ストラトのトレモロアームと弾きやすさ。その両方が欲しいのに、そんなギターはどこにも売っていない。

ならば、どうするか。エディの答えはシンプルでした。「無いなら、自分で作る」

総額約130ドルの”怪物”づくり

ストラト型ボディ・ネック・ハムバッカー・25セント硬貨・ドライバーが並ぶ寄せ集めパーツ(オリジナルイメージ)
ボディ、ネック、ハムバッカー、そしてコイン。ここから一本が組み上がる(イメージ)。
  • ボディ:Boogie Bodies社で、節があるため”工場二級品”としてはねられたアッシュ材のストラトタイプを格安で購入(50ドルと伝えられています)
  • ネック:同じく2ピースのメイプルネック(80ドルと伝えられています)。憧れのギブソンに近い太さとジャンボフレット
  • ピックアップ:自身のギブソンES-335から外したハムバッカーを、ハウリング対策でロウ(パラフィン)に漬けてブリッジ位置に搭載
  • コントロール:ボリュームノブ1つだけ。しかもノブの表記は間違って「TONE」のまま
  • 仕上げの小ワザ:チューニング安定のため、トレモロ周りに1971年の25セント硬貨をネジ止め

ギブソンとフェンダーの”継ぎ接ぎ”——まるでフランケンシュタインの怪物。だからこのギターは「フランケンシュトラット(Frankenstrat)」「フランケンシュタイン」と呼ばれるようになりました。

マスキングテープが生んだ、世界一有名な縞模様

マスキングテープを貼ったギターボディにスプレー塗装をする手元(オリジナルイメージ)
テープを貼って吹くだけ。稲妻模様はこうして生まれる(イメージ)。

そして、あの見た目です。エディはボディを黒く塗り、その上にマスキングテープを不規則に貼り巡らせて白を重ね吹き——テープを剥がすと、稲妻のような縞模様が現れました。デビューアルバム『Van Halen』(1978年)のジャケットで世界が目撃したのは、この白黒ストライプです。

翌1979年には、さらにテープを貼り足して自転車用の赤い塗料を重ね吹き。こうして完成した赤・白・黒のストライプは、スプレー缶とマスキングテープだけで生まれた、世界で最も有名なギターペイントになりました。プロの塗装ではありません。ガレージのDIYです。

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130ドルのギターが、業界を変えた

  • 「スーパーストラット」の誕生:ストラト形状+ハムバッカーという組み合わせは、その後80年代のギター業界のスタンダードに。エディの自作が一つのジャンルを作りました
  • 改造文化の解放:「ギターは買ったまま弾くもの」から「自分の音のために改造していいもの」へ。世界中のギター少年がドライバーとハンダごてを手に取りました
  • 博物館へ:フランケンシュトラットの複製は米国スミソニアン協会の国立アメリカ歴史博物館に収蔵。フェンダーからは精巧なレプリカも発売され、廉価版「Franky」まで生まれました

シリーズ3本から見えてくるもの

ギターアートの手法物語
The Foolプロのアート集団が装飾飾られて伝説になった
モンタレー・ストラト本人がマニキュアで手描き燃やされて伝説になった
フランケンシュトラット本人がスプレーとテープでDIYジャンクから生まれて伝説になった

3本に共通するのは、「高価だから伝説になったのではない」ということ。The Foolは量産SG、モンタレーは吊るしのストラト、フランケンシュトラットに至っては傷ものパーツの寄せ集め。ギターの価値を決めるのは値札ではなく、まとった物語とアートなのです。

あなたのジャンクも、フランケンシュトラットになれる

このブログでずっとお伝えしてきたジャンクギターの再生パーツ改造は、まさにエディがやったことと同じです。安い個体を手に入れ、直し、いじり、自分だけの一本に育てる——フランケンシュトラットは、世界で最も成功したジャンクギター再生プロジェクトだと私たちは思っています。

そして見た目のほうは、エディのようにスプレー缶で勝負するのも良し。私たちJUNK GUITAR ARTのラッピング加工なら、塗装の失敗リスクなしで、あなたのデザインを一本にまとわせることができます。「無いなら、自分で作る」——エディの精神を、現代のやり方で。

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まとめ

総額約130ドル、工場ではねられたボディ、マスキングテープの縞模様。フランケンシュトラットが教えてくれるのは、情熱と工夫があれば、ジャンクは伝説になるということです。あなたの部屋で眠っているその一本にも、まだ物語の続きがあるかもしれません。

参考:Wikipedia “Frankenstein (guitar)”、Equipboard、Reverb News、Guitar.com、Smithsonian National Museum of American History 各記事(2026年7月時点の情報に基づく。金額はエディ本人の証言として広く伝えられている数字です)

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