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久しぶりにケースから出したギター、フレットがくすんで黒ずんでいませんか? 弦を押さえると指がザラつく、金属パーツが白く粉をふいている——これはサビ(酸化)のサインです。
じつはサビ取りは、数百円の道具と30分ほどの作業で、見違えるほど効果が出るコスパ最強のメンテナンス。しかも見た目だけでなく、弾き心地とチューニングの安定にも直結します。この記事では、フレット・弦・金属パーツのサビ取り方法を、失敗しない手順で解説します。
なぜサビ取りが必要なのか
- 弾き心地が悪くなる:ザラついたフレットはチョーキングやスライドの抵抗になり、指も痛くなります
- 弦の寿命が縮む:サビたフレットは新品の弦を削り、あっという間に劣化させます
- 音がくすむ:接点や振動の伝達が悪くなり、サステイン(音の伸び)や輝きが失われます
- 放置すると進行する:軽い曇りのうちなら簡単に落ちますが、深く進んだ腐食は研磨でも取り切れません
▶ そもそもサビを防ぐには:ギターの湿度管理|適正は45〜55%。乾燥・多湿のサインと季節別の対策
用意するもの
- 金属磨きクロス(サビ取りクロス):軽いくすみならこれ1枚でOK。まず試すべき道具
- フレット磨き用マスキングテープ:指板を保護する必須アイテム。フレット部分だけ出せる専用のマスクもあります
- 研磨剤(金属用コンパウンド):頑固なくすみ用。粒度が細かいものを
- スチールウール(#0000)または研磨スポンジ:しつこいサビに。ただし後述の注意点あり
- 柔らかい乾いたクロス:仕上げ拭き用
- レモンオイル:作業後の指板ケアに(ローズウッド等の場合)
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100均で代用できるもの・できないもの
「ギターのサビ落としは100均のグッズで足りるのか?」——よくいただく質問です。結論から言うと、半分は代用できて、半分はやめたほうがいいというのが正直なところ。線引きをはっきりさせておきます。
◎ 100均で十分なもの
- マスキングテープ:指板の養生用。粘着力が強すぎないものを選んでください
- マイクロファイバークロス:仕上げ拭き用。数枚まとめ買いして用途別に使い分けると快適です
- 綿棒・つまようじ:ブリッジの隙間やピックアップ周りなど、クロスが届かない場所に
- 使い捨て手袋・軍手:研磨剤で手が汚れるのを防ぎます。消耗品なので100均向きです
ここは迷わず100均で問題ありません。浮いたぶんを研磨剤に回すのが、いちばん賢い使い方です。
△ 見つかることもあるが、使い方に注意
金属みがきクロスやサビ取り消しゴムは、100均でも扱いがある場合があります。ただし研磨剤の粒度が明記されていないことが多く、フレット以外——特に塗装面やメッキパーツに当たると傷が残るおそれがあります。使うならフレットだけに限定し、必ずマスキングで周囲を守ってください。なお取り扱いは店舗や時期によって変わります。
✕ 100均で済ませないほうがいいもの
- 研磨剤(金属用コンパウンド):粒度が読めないものは削りすぎのリスクが大きい。粒度が明記された楽器用・金属用を選んでください
- スチールウール #0000:100均で見かけるのは番手の粗いタイプが中心です。フレット磨きに使う超極細(#0000)は、楽器店やホームセンターで探すほうが確実です
- レモンオイル・指板用オイル:木部に浸透するものなので、楽器用として売られているものを使ってください
| 道具 | 100均で買う? |
|---|---|
| マスキングテープ | ◎ 問題なし |
| クロス | ◎ 問題なし |
| 綿棒・つまようじ | ◎ 問題なし |
| 使い捨て手袋・軍手 | ◎ 問題なし |
| 金属みがきクロス | △ 店舗による/フレット限定で |
| 研磨剤(コンパウンド) | ✕ 粒度が明記された専用品を |
| スチールウール #0000 | ✕ 100均には基本なし |
| 指板用オイル | ✕ 楽器用を |
▶ さらに詳しく:ギターメンテ用品は100均で揃う?ストリングワインダー・ニッパーは売ってる?
フレットのサビ取り手順
STEP1 弦を外す
フレット磨きは弦を外して行います。弦交換のタイミングと同時にやるのが効率的。どうせ外すなら、この機会に指板の掃除もまとめて済ませましょう。
STEP2 【重要】指板をマスキングで保護する

フレットの両脇をマスキングテープで覆い、金属部分だけが露出する状態にします。これを省くと研磨剤が指板に入り込み、木部を傷めたり黒ずみの原因になります。地味ですが、仕上がりを左右する工程です。
STEP3 まずは金属磨きクロスで軽く磨く
いきなり研磨剤や金属たわしを使わず、まずはクロスで試すのが鉄則。軽いくすみなら、これだけでピカピカになります。フレット1本ずつ、往復させるように磨きましょう。
STEP4 落ちない場合は研磨剤を少量
クロスで落ちない曇りには、金属用コンパウンドをクロスに少量取って磨きます。力を入れすぎず、様子を見ながら。研磨は「削る」作業なので、やりすぎればフレットは減ります。
STEP5 研磨剤を完全に拭き取る
研磨剤が残ると、後から黒ずみやベタつきの原因になります。乾いたクロスで丁寧に拭き上げ、マスキングテープを剥がしてください。
STEP6 指板ケアをして弦を張る
ローズウッドなど無塗装の指板なら、レモンオイルを少量なじませて乾燥を防ぎます(塗装済みメイプル指板には不要)。仕上げに新しい弦を張れば完了です。ツルツルになったフレットの上で弦が滑る感触を、ぜひ味わってください。
弦・金属パーツのサビ取り
- 弦:サビた弦は基本的に交換が正解です。演奏後にクロスで弦を拭く習慣をつけると、寿命がはっきり延びます
- ブリッジ・サドル:可能なら外して磨くときれいになりますが、外す前に必ず元の状態を撮影(オクターブ調整の位置が変わるため)
- ペグ:クロスで拭く程度に留め、内部のギア部に研磨剤や油を入れないよう注意
- ネジ類:サビがひどい場合、無理に磨くより新品に交換したほうが早く、見た目もきれいです
やってはいけない注意点
- 指板を保護せずに研磨しない:一度入った研磨剤の汚れは取り除くのが困難です
- スチールウールは慎重に:細かい鉄粉が飛び散り、ピックアップの磁石に付着します。使う場合はピックアップをマスキングかラップで覆ってください。可能なら研磨スポンジや専用クロスのほうが安全です
- 強く削りすぎない:フレットは消耗品です。削れば削るほど寿命が縮みます。「取れないサビは無理に取らない」判断も大切です
- 塗装面に研磨剤を付けない:ボディの塗装は研磨剤で曇ります。付いたらすぐ拭き取りを
- 深いサビ・凹みは打ち替えの領域:表面が荒れて弦がつっかかるレベルなら、リペアショップでのフレット交換を検討してください
▶ フレットが摩耗している場合は:ギターのフレットすり合わせ・交換の費用|直すか手放すかの判断基準
よくある質問(FAQ)
フレット磨きはどれくらいの頻度でやるべきですか?
弦交換のたびに毎回行う必要はありません。フレットがくすんできた、指のザラつきが気になる、と感じたタイミングで十分です。半年〜1年に1回程度を目安にする方が多いようです。
歯磨き粉や重曹でフレットを磨いてもいいですか?
代用する方もいますが、研磨力が読めず、指板や周囲に残りやすいためおすすめしません。数百円で買える楽器用の金属磨きクロスのほうが、安全で確実です。
サビた弦は磨けば使えますか?
一時的に見た目は改善しますが、内部まで進んだ劣化は戻りません。音のくすみや切れやすさを考えると、交換したほうが結果的に快適です。
スチールウールを使ってしまい、鉄粉がピックアップに付きました。どうすれば?
マスキングテープの粘着面を軽く当てて、付着した鉄粉を吸着させると取れることがあります。磁力があるため掃除機やブラシでは取りにくく、根気のいる作業になります。次回からは事前に覆っておくのが確実です。
サビ落としは100均のグッズだけでできますか?
マスキングテープ・クロス・綿棒・手袋は100均のもので問題ありません。ただし仕上がりを左右する研磨剤とスチールウール(#0000)は、粒度が明記された専用品をおすすめします。100均の金属みがきクロスは研磨力が読めないため、使う場合はフレットだけに限定し、周囲を必ず養生してください。
磨いても蘇らないギターには、別の道もあります
サビ取りは効果の大きい作業ですが、腐食が深く進んだ個体や、パーツの傷みが激しいギターは、磨いても現役復帰が難しいことがあります。それでも、そのギターに価値がなくなったわけではありません。
私たちJUNK GUITAR ARTは、役目を終えたギターに高品質フィルムでオリジナルデザインをラッピングし、飾って楽しむアート作品として蘇らせています。磨いて直せるものは直し、直せないものはアートに——どちらもギターを最後まで活かす方法です。
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まとめ|30分で、ギターは見違える
サビ取りの基本は、①弦を外す→②指板をマスキング→③まずクロスで磨く→④落ちなければ研磨剤→⑤完全に拭き取る→⑥指板ケア。数百円の道具で、見た目も弾き心地も驚くほど改善します。ジャンクギターの再生でも、まず最初にやるべき作業のひとつです。眠っていた一本を、ぜひピカピカに磨き上げてみてください。
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※本記事は一般的な手順の紹介です。作業は自己責任で、安全に十分配慮して行ってください。

